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【切れ味鋭い!面白い!】映画「マイ・ブロークン・マリコ」のおすすめポイントを語ります(評価/感想/レビュー)

出典:映画「マイ・ブロークン・マリコ」公式サイトより

もう居ない人に会うために、、、

 

こんにちは、スノウです。

今回はAmazonプライムで無料見れてかつ、友人におすすめされた映画「マイ・ブロークン・マリコを見た感想を語りたいと思います。

 

永野芽郁が主演になり話題となった「マイ・ブロークン・マリコ」ですが、ずっと見るのをためらってました。

なぜなら予告PVでのあらすじが強烈過ぎたから。(あらすじでPV紹介してます)

「亡き親友の遺骨を奪い、抱きながら旅に出る」

なんて。

しかも永野芽郁の狂った演技を見て、めっちゃ暗くてグロテスクなシリアス映画かなーと思い、手を出していませんでした。

 

でも、見たからこそ言えます!

シリアス過ぎずに、心に響く。

人を弔い思うことに真剣に向き合う映画です。

 

評価

・ストーリー     ★★★☆☆

・俳優の演技     ★★★★☆

・空気感       ★★★★★★★

・考えさせられる   ★★★★★

この映画をおすすめする人は、こんな人です!

・シリアスすぎる映画は苦手な人

・たけど考えさせられる映画を見たい人

・余韻に深く浸りたい人

・亡き人への思いを忘れたくない人

ここからは、なぜ面白いのか?なぜおすすめなのか?

ネタバレなしで解説していきたいと思います。

あらすじ

ブラック企業勤めのイノトモヨ(永野芽郁は、ある日テレビのニュースで目撃してしまう。親友のイカガワマリコ奈緒)がマンションから転落死したという報せを。

彼女の死を受け入れられないシイノだったが、親友の遺骨が毒親の手に渡ったと知り、マリコの遺骨を奪取する

幼い頃から父親や恋人に暴力を振るわれ、人生を奪われ続けた親友に自分ができることはないのか…。学生時代にマリコが行きたがっていた海へと彼女の遺骨を連れていく、”最初で最後の二人旅”がいま、始まる。


www.youtube.com

なぜ面白いのか?

”暗すぎない”絶妙な空気感

これは映画を見終わって気づきました。

「あれ?いつものシリアスで暗い映画を見たあとの、どんよりした気持ちになってない?」と。

 

予告編を見ていると分かりますが、「この映画、なんだか暗そう、、、。」と思っちゃいます。

ですが、永野芽郁演じる主人公の人柄がそのシリアスな状況を暗くなりすぎないようにしてるような感じがしました。

たしかにヒステリックな一面はありますが、親友を亡くすという大きな不幸があったにも関わらず、シノの人間としての底力が見え隠れします。

一方でこの暗くなりすぎない雰囲気は、主人公が親友マリコの死を受け止めてきれてない、とも捉えられます。

漫画の「マイ・ブロークン・マリコ」は、映画よりもっと鬱々としたように感じられましたか、映画は俳優の表情や声色、音楽があるので上手く世界観を崩さず見やすくなってました。

正直、永野芽郁さんの演技をあまり知りませんでしたがこれは怪演です。素晴らしいの一言。

見た後に考えさせられる。

だけど、どんよりした気持ちにならない。

コメディほどふざける訳でもなく、どんより葬式のような訳でもない。

この塩梅は素晴らしいと思います。

 

回想と現実が丁度いい!

今回は亡き親友との思い出を回想するシーンがあるのですが、回想と現実の比率が丁度いいです!

過去の回想を深堀り過ぎても、今の主人公を描けない。だからといって過去をなおざりにすると、世界観が保てない。

映画はここが難しいと思いますが、この映画ではその塩梅が心地良いんです。

 

なんなら、自分が同じ状況になったようなリアリティがそこにはあります。

漫画のように、思い出の地を訪れて思い出す、なんてロマンチックな回想ではなく、ふと鮮明にフラッシュバックする回想。

これがリアルな回想だと思うんですよ。

何気ない回想は意識せずとも脳裏によぎる。しかも鮮明に。

 

そのタイミングに現実味がありすぎて、違和感なく回想に思いを馳せることができる表現が絶妙な映画です。

 

綺麗な思い出だけじゃない。

これは見ていて、ハッとしました。

人が亡くなりその人を弔い、思うことは誰だってあると思います。

しかし、その人との過去を思い出すと浮かんでくるのは「いい思い出」だけじゃないですか?

 

もちろんその人が悪人では無いにせよ、どんな良い人でも喧嘩やトラブル、悲しい思い出もあったと思うんですよ。

でも人は亡き人を思うとき、いい思い出だけ鮮明に思い出すような気がする。

都合のいい思い出のような。

 

だけどこの映画は、悲しさや憎らしさ、負の記憶もひっくるめて鮮明に覚えていたいそれが亡き人を愛し懐かしむことなのではないのか?というメッセージがあるように感じられます。

この切れ味が鋭いのが本作の魅力でしょうね。

 

本当に85分の映画か!?

最近の映画はとにかく長い。

邦画でも2時間超える映画が多くなりすぎて、集中力がもたないって人も多いかと思います。

しかしこの映画、85分で短い!見やすい!

短いのに先程まで説明した内容がぎっしり詰まってる!

なので見終わったあとの余韻は85分映画のそれじゃない!!

 

これは監督や制作陣の技量も含め天晴です。

さいごに

私は「マイ・ブロークン・マリコ」を敬遠して見なかったことに後悔しました。たしかに一見、シリアスでどんより暗い邦画の一種かなと思っていましたが、もう一度言います。

この映画、”暗くなりすぎない”のがなんと言っても素晴らしい映画です!

コメディほどふざける訳でもなく、どんより葬式のような訳でもない。

見ていてとても不思議な空気感を味わえます。

ぜひ、映画の時間も短いので気軽に見てみるのもいいのではないでしょうか?

 

それでは、アリーヴェデルチ!(さよならだ)